ART
KEITH HARING
キース・ヘリング(1958年−1990年)
キース・ヘリングは、アンディ・ウォーホルやジャン=ミシェル・バスキアらと同様に、1980年代のアメリカ美術を代表するアーティストです。
1980年代初頭にニューヨークの地下鉄で、黒い紙が貼られた使用されていない広告板を使った通称「サブウェイドローイング」というプロジェクトを始め、そのコミカルで誰もが楽しめる落書きは評判を呼び、一躍ヘリングの名を広めました。
1980年から1986年の間には、次々と展覧会が開催され国際的にも高く評価されました。ニューヨークのタイムズスクエアのビルボードのアニメーションや舞台デザイン、自身のグッズを販売する「ポップショップ」のオープンなど、その活動は多岐にわたります。さらに、世界各地での壁画の制作や、子どもたちとのワークショップの開催など社会的なプロジェクトも数多く手がけました。
また、ヘリングは当時としては珍しく、ゲイであることをオープンにして活動したアーティストでもありました。ヘリングは自身のアイデンティティに誇りを持ち、アートを通したエイズ・アクティビズムやLGBTQ+コミュニティの権利獲得に向けた取り組みにも積極的に参加しました。
1983年には初来日し、展覧会やワークショップの開催、自身のショップの2号店として「ポップショップ東京」をオープンするなど、日本とも深い親交がありました。
1988年には「エイズ」と診断され、その翌年にキース・ヘリング財団を設立しました。エイズによる合併症のため、31歳で亡くなるまで、精力的な活動を続けました。