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Drawing Social Impact キース・ヘリング:社会に生き続けるアート

2018/02/09 (金) - 2019/01/14 (月)
会場:中村キース・ヘリング美術館
主催:中村キース・ヘリング美術館
後援:アメリカ合衆国大使館、山梨県、山梨県教育委員会、北杜市、北杜市教育委員会
協力:キース・ヘリング財団、シミックホールディングス株式会社

いつの時代も、アーティストは社会の代弁者だ。アーティストの「言語」は、我々が生きる世界の知覚如何で左右される。アーティストはいつでも「現実」と「理想」の狭間にいる媒体なのだ。
ーキース・ヘリング(「キース・ヘリングジャーナル」より 1984年)

1978年、20歳でキース・ヘリングは故郷ペンシルバニア州からニューヨークへ渡りました。当時のニューヨークは不況下で暴力や差別が蔓延する反面、ヒップホップやグラフィティなどのストリート・カルチャーが創り出される源泉に溢れていました。その街でカウンターカルチャーに大きな影響を受けたヘリングは、激動するニューヨークで、そして世界中の都市を駆け巡りながら、アートを通し様々なメッセージを生涯発信し続けました。
ヘリングが社会とのコミュニケーションとしてまず初めに注目したのがニューヨークの地下鉄でのサブウェイドローイング。誰もが使う地下鉄構内の看板は絶好のパブリック・アートでした。黒い紙が貼られた空き看板に白いチョークで素早く描き上げるグラフィティにはウィットに富んだメッセージがダイレクトに表現されました。その後はポスター・アートにも着目し核放棄や、反アパルトヘイト、エイズ予防、LGBT認識など社会的な問題にも取り組んだのです。
社会における階級や地位、性別や人種、宗教や文化の違いに関係なく誰もが触れることのできるアートを追求したヘリングの作品は、テロや戦争の耐えない現代社会へ時代を超えてパワフルなメッセージを投げかけ続けています。
本展では、新しく収蔵作品に加わった1990年の作品《Altarpiece: The Life of Christ》を初公開します。これは1990年2月16日、31歳でエイズにより亡くなる数週間前に完成した最後の作品です。教会の祭壇のためのオルターピースとして現在世界の教会や美術館9箇所に収蔵されていますが、ヘリングの追悼式が行われたニューヨークのセント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂に今も飾られています。死を目前にしたヘリングの平和への願いと希望、そして生命の力が刻まれた永遠の作品です。

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FEATURED ARTWORKS

主要展示作品

《無題》1985年

《オルターピース:キリストの生涯》1990年