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Keith Haring: Humanism -博愛の芸術-

2019/04/13 (土) - 2020/01/13 (月)
後援:米国大使館、北杜市、北杜市教育委員会、山梨県、山梨県教育委員会
協力:キース・ヘリング財団、シミックホールディングス株式会社

本展では、一部の富裕層に独占されたアートを否定し、人種も宗教も性別も凌駕する愛を信じたキース・ヘリングの思想を当館のコレクションとともにご紹介いたします。
1980年頃ヘリングがニューヨーク中の地下鉄構内に描き始めた《サブウェイ・ドローイング》は、地下鉄という公共空間での‘落書き’というリスクを伴いながらも、「アートはすべての人のために」という信念のもと約5年間に渡り敢行されました。ヘリングは瞬く間にその名を世に広め、地下鉄の利用者をアートの鑑賞者に変えたのです。
米国ペンシルバニア州カッツタウンという小さな町を故郷とするヘリングは、幼少期より父と絵を描き始め、日曜日には家族で教会へ通うという一般的な家庭に育ちました。アーティストを目指してニューヨークへ渡ると芸術活動の幅を一気に広げ、アトリエでの作品制作以外にも、世界各地に足をのばし、ワークショップや壁画制作を意欲的に行い、子ども病院などの公共施設などへ作品を寄贈しました。また、景気の低迷、人種差別、エイズ感染の拡大など様々な問題を抱えた80年代ニューヨークの混沌とした時代を背景に、ヘリングはエイズ予防啓発や反アパルトヘイト、アフリカ緊急救援基金の展覧会などのために、数多くのポスターを手がけ、時には公共の場で無料配布しました。社会の束縛や抑圧からの解放と、人間の自由と平等を掲げたヘリング。彼は一貫してアートを媒体に人道主義の最も敬虔にして、勇敢な姿を貫いたのです。
このようなヘリング芸術を象徴する作品のひとつである《スウィート・サタデー・ナイト》は、1985年にブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージックの劇場で、黒人のストリートダンスと社交ダンスの誕生300周年を記念して上演されたパフォーマンスの舞台セットでした。横幅6メートルを超える大画面一杯に黒い線が踊るように描かれています。ニューヨークで最盛期を迎えていたクラブカルチャーの熱気を帯びたかのような生命力に溢れ、まさに博愛と生きる喜びを表現しています。

僕はアートがプロパガンダであると思わない。アートは魂を解き放ち、想像力を掻き立て、人々がさらに先へ進めるように勇気づけるものであるべきだ。アートは人間を操作するのではなく、祝福する。(1978年10月14日「キース・ヘリング・ジャーナル」より)

INSTALLATION VIEW

インスタレーションビュー

Photo by ©︎Shu Nakagawa

FEATURED ARTWORKS

主要展示作品

『スウィート・サタデー・ナイト』のための舞台セット、1985年

《無題(サブウェイ・ドローイング)》1981-83 年

《無題(踊る3人のフィギュア Bバージョン)》1989年

核放棄のためのポスター、1982年