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企画展

キュレーターズ・セレクション006「yang02: untitled 2」展

2013/07/20 (土) - 2013/10/20 (日)
会場:中村キース・ヘリング美術館

「ぼくは線を描く(drawing)という触覚的な感覚がとても面白いと思っていたんだ。それはコンピューターで線を描くのとは全く違う。この[コンピューター上での]画像と、描くという行為の置換えは、「描く人(drawer)」が解決しなければならない新たな問題となるだろう。」

ーキース・ヘリング 1986年

1980年代、キース・ヘリングはデジタル技術が到来する世界を予期し、未来におけるドローイングについてこのように予感していました。

本展では、デジタルメディアを基盤にさまざまな活動をしているyang02による、ドローイングにまつわる作品を展観いたします。今回紹介する3部作《〈落書き〉のための装置(2010-2011)《SENSELES DRAWING BOT》(2011)、《SENSELESS DRAWING BOT #2>(2012)は人間の身体や主張を排除したドローイング装置です。まるでヘリングが抱いた未来世界でのドローイング感をあらわしたかのようでもあり、観るものに描くという行為の新たな解釈を想起させます。本展のために制作された新作は、ブラックライトで浮かび上がるマーカーを用いたドローイング装置となり、yang02とヘリングの時空を超えたドローイングの共演が、長さ約30mの壁面に展開されます。また、2012年ブルックリン美術館で開催された「Keith Haring: 1978-1982」展でも話題となった、描くという行為の思索的なビデオ作品《Painting Myself into a Corner》(1979年)も日本初上映いたします。

「人間のイマジネーションはコンピューターでプログラムされるものじゃない。ぼくたちのイマジネーションは、人間が生きていくための最大の希望なんだ。」

ーキース・ヘリング 1983年

一見対照的なyang02とヘリングの作品が次元を超えて同空間に出現したとき、私たちは一体何をそこから見つけることができるでしょうか。本展はドローイングの本質に迫ろうとする試みです。

※SENSELESS DRAWING BOT(2011)《SENSELESS DRAWING BOT #2》(2012)は、菅野創氏との共同制作による作品です。

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